フィジー自然体験実習・直前下見報告

 →下見写真記録


*最終打ち合わせ・下見内容

第1日 8/1

*ウイング・インベストメント(2003.8.1)

*ゼネラルマネージャー中野氏と相談。

 村での宿泊に関して、移動式トイレを用意する案、食事に関して、調査中の弁当をナンディタウンで調達する案。いずれもウイングで手配してくださる計画。

 3月以降のボーリング事業の進展、QDH13,14,15完了。…大理石コアサンプルの見学可能。基地はTawatawadi(タワタワンジ)。

*マナ・アイランドリゾート(2003.8.1)

 ゼネラルマネージャー石川氏、エグゼクティブオペレーションマネージャー水崎氏と会談。

 基盤設備見学(9/12)について了解をとる。お二人に案内していただき、発電機、海水の淡水化装置、下水処理施設などを見学。非常に興味深い。日本人の水使用量が多いこと、アイランドブレのトイレの水は再利用水であることなどを伺う。

 本番に使用するアイランド・ブレの見学。必要充分な設備。宿泊者用ランドリー見学。全自動式1槽式の洗濯機3台、乾燥機1台。アイロンは貸し出しでアイロン台が2台。洗剤はフロントで購入するが、それ以外は使用料は無料。

 珊瑚礁観察については、ホテル側で案内を引き受けてくださるとのこと。船を出していただける。バーベキューに関しては別途相談。

 (追記:9/13土曜はロボ料理の日なので、バーベキューにしなくてもそれでよかろうということになった。)

 皆川教授と萩谷で、海岸の岩場、LOOKOUT POINT、山頂部の通信施設、配水タンク、飛行場、教会(結婚式場)、サンセットビーチを徒歩で見学。

 この夏には、大学関係では亜細亜大学と東洋大学の文系のゼミで、十数人〜20人規模での団体宿泊があるとのこと。理系は珍しい。

 建築中の新しいブレについての説明会を兼ねたカクテルパーティー。工事中の理解を得ることと、リピーターになることを期待して、という水崎氏のお話。完成予定が11月にずれ込んだので、建設現場を期間中に見学できるかもしれない。作りかけの様子を見ると非常に簡単な作りでびっくりする。


第2日 8/2

 マナ島→ナンディ ナンディ空港で中野さんの出迎え、以降、中野さんの運転で移動。事務所で電圧変換アダプタを拝借。

 NavosaのHigh Chiefのところにお邪魔して、古民家の見学ができないか考慮中という中野さんのお話。可能ならありがたい。日程的にどこに入れるか、内陸の実習に入ると時間がないので、9/6のマングローブ植林のあとで分派して移動するか、など、検討を要する。

*シンガトカ市場(2003.8.2)

 土曜は道路をフリーマーケットに使用している。物価、状況をチェック。野菜類(ナス、ピーマン、キャベツ、青梗菜、いんげん豆)、ダロ、キャッサバなどの芋類は豊富。チリ、ショウガなどのスパイス類も豊富。価格はかなり安い。詳細は映像で記録。

 マーケットを見て歩くうちにインド系のおばちゃんにつかまる。片言の日本語で話しかけて、ちょっと親切そうに説明などしてくれるが、自分の店に引き込もうとする。"Just looking!"というが、何か買わせようというのに決まっている。人の好い学生だけで行くとはまるかもしれない。

 カヴァはかなりある。外ではマングローブシジミらしき貝を売る人が並んでいた。あまり売れないようだ。

 スーパー3軒を教えてもらう。冷凍のチキンやラム肉はここで買える。米やお茶、砂糖、しょうゆなどはここで買える。米が安い。1kgあたり1ドルを少し越える程度。日本風の米はサンホワイトという銘柄のオーストラリア米がよいらしい。

*コロニサガナ村

 例によってセブセブ。このために中野さんが10ドルのカヴァ2包み(根の長いものがよいらしい)とタバコの包みをあらかじめ用意してくださる。訪問者側の贈り物として、こういう経費が必要なのだが、日本の大きな会社はなかなか理解しないらしい。

 村の外で待っていた地質技師のイノケさんと再会。実習用のマップを明日持ってきてもらう。3つのルートの選定のことを話す。

 来月、日本の学生30人が来ること、USPからも何人か来るだろうということを再確認のため話す。歓迎の意。村にとっては大事件なので、今年いっぱいはこの話題で持ちきりかな、という話を中野さん、イノケさんとする。

 Tawatawadiのトイレの問題。水洗便所が2つあるので、その水の補給さえすれば大丈夫だろうとのこと。

 この日は結局カヴァは5杯。3杯で済むかと思ったのだが。あとになるほど濃くなり、量も多くなった。

*クロウズネスト

 マネージャーのサティシュ氏と簡単に相談。明日朝、施設を案内してもらうことにする。客層はほぼ全部がオーストラリア・NZの若者という印象。

 傾斜地に建っているのでビラが2階建て構造になっている。広くてなかなか快適。3人で生活するには充分で、むしろマナ島よりスペースは余裕がある。自炊用設備は完備。2口コンロ、換気扇、フライパン、やかん、食器類、包丁など完備。冷蔵庫はやや小さいが、なんとかなるかなというレベル。

 2つのビラで1つの棟なので、中間のドアの鍵を外すと両側から行き来できる。6人で1棟というような使い方もできるということか。自炊の際には分業したりしてちょうどいい。

 自炊に疲れたらレストランもあるのでそこで食事することができる。夕食はFish and ChipsでFJ$9.95だった。海岸道路沿いにはアウトリガー方面に向かってレストランなどがあり、ピザが1枚$5.50など。ナンディよりもかなり物価の安いSigatokaでは$6.50だったが、さらにこちらは安い。1回FJ$10あれば足りそうだ。

 食卓と3人分の椅子があるが、書き物の作業をするには少々狭いかもしれない。テレビあり。5チャンネルあるが実質はABC、BBCと観光案内チャンネルの3つのようだ。

 虫対策が必要かもしれない。網戸になってはいるのだが、蚊がいた。こちらで蚊取り線香の類を用意した方がいいかもしれない。


第3日 8/3

 クロウズネスト追記。サティシュ氏は予想通り朝は不在。夕方案内してもらった。会議室は数ヶ月前に新築。40人収容で広さは充分。椅子は25人分+α、机は5台ほど。ホワイトボードあり。スクリーン用か? 電源OK。ウイングの変圧器でプロジェクターの作動確認。

 クロウズネストで用意すべきもの。シャンプー(石鹸はある)、蚊取り線香、必要なら炊飯器。クロウズネストのレストランは安価で質が高い。Sunset Stripの店との競争があるためか。スタビー$2.50も安い。

*実習地見学

 4駆の軽トラックで渡河。水量は低下し水が澄んでいる。

 ボーリングサイト15,16に向かって、Togaから登る。沢に水はなし。途中の草地の中以外は構造のわかる露頭がない。15,16は南向き斜面を切り開いている。15には約80m分のコアが置いてある。16は先週火曜に移動したばかりで、数m分しかない。表土だけ。

 途中まで戻り、コロイエマル南側斜面の、石灰岩と火山岩類の境界をイノケさんの案内で調査。かなりきつい登り。14時を過ぎたところで突破を断念。草藪の斜面から降りることにする。これがまたきつかった。放牧している馬に数回出会う。馬糞も多かった。

 土木実習のプランを検討。橋を架ける場所について議論する。帰り道、河岸段丘上にあるインド系の農場を横切って川に出て場所の選定。皆川先生にお任せする。

 道路の崩落箇所を見学。夕方になり空にはオオコウモリが乱舞している。


第4日

*OISCA-Fiji

 OISCA-Fiji開発団団長代行・山田さんと会談。マングローブ植林の場所は、コロトンゴ村(Korotogo)を予定しているとのこと。宿から徒歩数分のところで、今年の3月に通りがかりに植林状況を観察したところなので、びっくりした。特に村で葬式があるなどの問題がなければ、ここで実施。8:30には開始したいので、それに合わせてナンディの宿を出る必要がある。

 日程としては、7:30にトカトカを出て、コロトンゴに到着(山田さんが出迎えてくださる)、村に入り、とりあえず挨拶して、簡単に切り上げて1時間半ほどの作業。(おそらくその間にバスに乗せた荷物はクロウズネストに運び込む。)山田さんからお話をいただく。また、勝木さんからも植物学、環境教育の簡単な講義をする。お昼をとって、村に戻ってご挨拶のカヴァ。早めに切り上げて、市場に買いだし、宿の準備などに向かいたい。

 歓迎されすぎても困るところがあるので、あとの予定がつまっているということで、うまく村を早めに失礼することが肝要。女子学生が居るとサービスが多くなりそうだという観測。

 現在、OISCAの農場には、桜美林大学の学生が約30名、宿泊して作業中とのこと。初めての受け入れだそうで、宿舎は女子寮として予定して建設した建物を使用しているとのこと。

 ガリマーレ地域にもぜひいらしてください、という話を山田さんにする。

 中野さんの車でスバに移動。ホリディイン泊。メール処理。台本直し。英文の企画書書き。予想外に時間を食い、間に合わず。採点は手に着かず。試験問題は修正途中で疲労のためダウン。勘弁してもらおう。


第5日

スバ・USP訪問

*School of Pure and Applied Sciences

 朝8時にTuma氏と待ち合わせ。車でUSPへ。地球化学のBonato氏と会談。詳細を話す。

 基本的にはOKで、USPからは地質学の2年生8人を連れて行く候補として考えているとのこと。こちらで12人分の宿を用意していることを話すと、これに加えて興味のある他の工学部学生などを加えようか、とのこと。女子学生がいるんだがという話で、こちらのメンバーリストを見せる。

 Bonato氏が期間中会議で出席できない?のがdifficultyということらしい。あまり問題はなさそうだ。Korotogo村でマングローブ植林をする話をすると、前回出席していた生物地理学の先生がそこの出身だから、喜ぶだろうから教えてあげよう、という話をされる。

 会談を終えて教室をまた見学させてもらう。黒板にはmelt-solidの固溶体相図。2年生の授業で、午後にこの続きをやるのだとのこと。おおむね学生は理解しているが、化学をやっていない学生にはちょっときつい、という説明。

 マスコットの巨大な玄武岩をサカナに雑談。フィジーの地質は植民地時代の1961、62頃にイギリス人によりだいたいの調査を終えていて、一般的にはもう調査の余地はないのだ、という話をされる。ちょっとナワバリ意識というか白人優位主義のニオイを感じるが、まあいいか。いいおじいさんであった。

*スバ市内〜フィジー博物館

 Tumaさんと市内を見学の後、昼食を池の畔のレストランで取る。前回ちょっと入ったForest gardenのそば。バックパッカー宿があり、その下のレストランで、池は1970年代に採掘した鉱山の掘った穴らしい。そこに水がたまり、いまはティラピアや大ウナギが生息。

 フィジー博物館を見学。展示物に関しては、考古遺物や歴史的な記録、民俗関係。自然系はほとんどない。土産物コーナーでスルを販売していた。FJ$15〜25。これなら学生に買える値段だろう。


第6日

 スバのホリディインをチェックアウト。受付のインド系お姉ちゃんは口もきかない。西部に比べてやはりスバは無愛想だ。部屋からの電話代の請求は、インターネットアクセスポイントは市内料金で、1回FJ$0.50だった。1時間かけても、3秒で切れても、同じ値段。これは助かる。

ナンディ

 Tumaさんの運転でパシフィックハーバー、コーラルコースト経由でナンディに移動。185kmほどある道のりを3時間足らずで移動。道は3月に比べて工事区間がないため、スムーズに移動。朝はスバへ向かう車がやや多い。

 途中、Tubakula Beach Bungalowをちょっとだけ確認。1棟6人収容の安い宿でアウトリガーの隣にある。その他、予約が取れない場合のクロウズネストの代替として考えていたTabua Sandsも確認。Navitiの近くで、Sigatokaからはちょっと遠いので、今後も使うことはなさそうだ。

 ナンディタウンで待っていた中野さんと合流。スルの値段を確認。Jack's Handycraftの店の2階でまず確認。FJ$15程度。この店の店員は中野さんとは顔なじみで、兄が日本でプロゴルファーをしているというインド系の店員のおにいちゃんを紹介される。やたらと店員が多い。もう1軒、別の店で値段を確認。安いもので8ドル程度。材質で値段が違うのだという。柄はいろいろで、花模様や、ホテルの名前を書いたものなど。武蔵工大のロゴ入りスルをつくったらどうだろう、という話をする。

 着付けに関しては、ウイングのカタリーナ嬢がセブセブに立ち会うので、そのときにきっちり指導してもらえるだろうとのこと。

 ナンディタウンの中華料理屋「センタイ」で、店主に9/14夜の食事の依頼。32人+ウイング他で、約40人。料理のみ1人あたりFJ$30で相談する。飲み代は別。

*トカトカ・リゾート

 空港からは車で1分、徒歩だと5分程度。荷物の移動はホテルから車を出してもらうことがよかろうという話になる。

 レセプションから後ろにブレ形式の建物が間隔を置いて建ち並ぶ。空港の近くだが、時折ごーっという轟音がすることがあるが、いたって平穏。夜はサトウキビ列車の警笛らしき音が聞こえたりする。

 ドアの脇のソケットに鍵を入れると電気がつく。室内は長期滞在に向くようなつくり。台所つき。食器、電気コンロ、なべ、電気やかん、包丁、冷蔵庫などそろっている。照明があまりなくて、仕事には不向き。特に仕事机の上が暗くて、作業しにくい。天井扇あり。エアコンはあるが、季節的に無用であろう。明け方、寒くて目が覚める。

 会議室がオフィスになってしまったため、集合する場合は、いま卓球台の置いてあるゲームブレを使え、というフロントの話。仕方がない。あらかじめ必要な指示は手渡しておく必要があるだろう。

*UTC's Fijiの野田さん、広田さんと、中野さんをはさんで会談。バスの手配について、実習期間中のクロウズネストとガリマーレの往復のバスを、道が悪いため地元のバスを出してもらうようお願いする。費用減少の可能性高い。宿の移動や、港との往復は自社持ちのエアコン付き45人乗りバスということになるが、これはまあ仕方がない。

 最終日のナンディでの買い物、センタイでの打ち上げのため、トカトカとの往復のバス手配を打診する。この件はすべて東急ストリームラインを通して話をするように依頼されるが、可能とのこと。逆に、9/6のマングローブ植林がコロトンゴであれば、終了後は徒歩で宿に向かうのでバス不要。

 到着時に空港出迎え、港の行き帰り、帰りの空港見送りにUTCの方が来てくださるとのこと。

 宿に関して、初日の到着直後が問題だが、トカトカの場合収容数も多いので、全室とはいかなくとも、いくつかは先に空けてもらえるだろうから、そこで休息可能との判断。


第7日

 朝、出迎え・見送りに来てくださった中野さんと少し話す。Navosaの大酋長の件は、9/6土曜午後はいいとして、向こうの手配もあるので、古民家見学の参加者を事前に確定しておく必要がある。8/25の事前学習会の時でいいから、人数を決めておいて欲しいとのこと。また、9/11木曜の現地泊の人数の確定も必要。9/12朝、ウイングの車2台でクロウズネストに輸送し、チェックアウト、全員でデナラウ港に向かう。

 トカトカのチェックアウトに手間取ると、9/6のマングローブ植林に間に合わなくなるので、前夜のうちにチェックアウトを済ませ、朝食などは現金払いで処理するようにすることを勧められる。

 もうひとつ、航空券の扱いについて、現地旅行社のUTC's Fijiの方にまとめて預けてしまうことが望ましい。紛失の危険を避けるのと、リコンファーム、チェックインの手続きを代行してもらい、簡単に搭乗できるようになる。あとから合流される皆川先生と矢野さんも、到着時にウイングの人が出迎えに行き、そこで航空券を預かって一緒に帰りの便を処理する。


H.Hagiya 2003.8.1-8.7