→居残り組報告2006 2006準備関係データ 直前下見報告
8/30
15:00に化学実験室にアシスタント集合、佐藤さんも来てくださる。急いでメーカーに送ってもらったハンドオーガーの継ぎ柄3本を佐藤さんが取りに行き、他のセットとともに梱包してくださる。参加者用のマニュアル(しおり)の印刷と製本。昨年度の原稿をもとに書き直すが、部屋割表のメンバーリストが書き上がっておらず、コピー機の前で、学生の2人が遺漏がないかチェック。重複部分を削り、ページを打ち直し、地図を追加する。コピー機で31枚ずつA4の両面印刷。
機材チェック。環境情報のメディアセンターから借用したビデオカメラ3台、これは7台借りたうち、学生に班毎に4台渡した残り。ニッケル水素電池と充電器、クリノメーター3台、ハンディGPSが3台。佐藤さんのを貸してもらって+1台。水質調査セットを紙袋に2袋。無線機が特小5台(あとで4台と1台発見して合計10台)、430MHzの小型機2台。コンセントの変換プラグ、三つ又、CD-R4枚、DVテープ10巻。DVテープの追加購入(20本)をN君に依頼。
女子学生2名に印刷をまかせ、色とりどりの表紙と裏表紙の組み合わせの冊子をみんなでホッチキス留め。最終的に特定のページが余っているので調べさせると、乱丁が2,3冊できてしまっていて、それらを綴じ直す。やはり予想通り。
アシスタント学生と、現地での日程と行動内容の再確認。係決め。機材管理はN君、ハンドオーガーは都市基盤のS君、学生の所在確認と人数確認はS君。スルの販売と会計担当はYさん、食材係チーフをSさんに依頼。今回は現地に行かないU君も協力して作業してくれた。19:15に終了。解散。僕は充電器でニッケル水素電池の充電。化学研究室に戻って椅子で少し寝てしまい、20:40に充電池の交換。鍵を閉めて帰宅する。明日、佐藤さんの車に機材を乗せて成田に運んでもらうので、今年も僕は非常に楽だ。
8/31
たまった作業を処理していたら夜が明ける。放送大学の時間割原案をメールで送信。USPの人々にメールで参加者リストを送り、日程の確認。マナ島の人々にメール、ウイングにメール。朝の5:00にKhasai講師からメールの返信が届き、6:00に返信。時差は3時間なので、講義前に彼はメールチェックをしたのだろう。連続の作業で胃やら腰やら調子が悪いので、7:00に少し寝ることにする。9:30に起きだし、荷造りを適当にして、10:30にいったん登学。徹夜で書いた書類を物理のポストに入れて主任に提出。中野さんから午前中必着で届いた書類を受け取り、荷物に入れる。充電した電池の入れ替え。ハンドオーガーの会社に先月の領収書の宛名を変えてもらうようにメールで依頼。12:00、自宅にいったん戻る途中で公共料金の支払いを済ませる。念のため寝袋をつっこみ、大リュックを大学に運ぶ。12:30佐藤さんとS君化学実験室へ。再度自宅に中リュックを取りに戻る。登山靴に履き替え、ゴミ出し、最後の確認。大学の横のコンビニ前で倉田先生に出会い、留守中の作業依頼を2件。13:50に化学研究室に戻る。データを倉田先生に渡して、14:00出発。荷物を載せた佐藤さんのワゴンに、僕とS君が乗せてもらい成田に向かう。酒々井PAで休憩しただけで、16:00成田空港第2ビル着。荷物を下ろし、業者さんに車の委託。この際に車中に忘れ物をして、佐藤さんとS君が回収に行く。
16:30集合だが、すでに半数が指定のHアイランドそばの椅子に待っている。回収してもらったしおりの冊子を配布。16:30、誰か足りないと思っていたら勝木先生登場。さっそく課題の紙と、簡易植物図鑑を配布される。寺阪さんが航空券と保険証書の配布。共通の荷物を何人かで分配。16:50チェックインカウンターへ。荷物の預け入れで、カウンターのお姉さんが3人ずつ処理するので、重量配分で60kgを越えないようにハンドオーガーや測量機材を割り振る。そのためにカウンターのお姉さんがタグの追加で大忙しになる。ちょっと申し訳ない。
17:15に、集合していた全員のチェックイン終了。寺阪さんはつくばから遅れてくる井上先生を待ち、我々はお土産の買い出し。スーザン先生におせんべい、他は甘いもの。矢ヶ部先生がソフィー用の品をあらかじめ確保してくれたので、安心。僕はうっかり間違えて置いてきたCFのPCカードアダプタを購入。ネットにつなぎ、メールをチェック。主任教授と昨日本を借りに来た院生に返信を出す。今日は向かい風で離陸を早めるので、18:45に出てしまうから気をつけろとのことなので、スタッフ6人は17:40に出国審査に向かう。金属探知機は登山靴のまま通過できたが、手荷物のリュックにハサミがあるとのことで僕は止められる。うっかり忘れていたが、7月にシンガトカの郵便局で本を梱包して船便で出したときに、スーパーで買った安いハサミが、サンプル袋と一緒になって隠れていたことが判明。恥ずかしい。思い入れもなく二束三文で買ったものなので放棄する。
96番ゲートに17:55頃到着。ここは妙に待合室が狭い。18:20搭乗開始なので、それまでに集合と指示したはずだが、学生が5人+2人しかいない。学生たちは搭乗口で記念撮影。記録係を自主的にやってくださる寺阪さんもデジカメで待合室状況を撮影。記念写真を撮るような初々しさは僕にはもうないなあ。…初回からなかったかな。 搭乗口で定刻の18:20に搭乗開始。学生は先に登場させ、我々は廊下で待つ。少し遅れて男子学生3人。しかしあと5人不足。井上先生も来ない。チェックインはすませているので置いて行かれることはあるまいとの寺阪さんの判断で、18:25に待つのをやめてスタッフは先に乗る。18:30すぎに遅れてきたアシスタント3人と男子学生2名が乗り込む。注意する。井上先生はまだ来ない。18:40、JALの係員のお姉さんが井上さんの所在確認のため機内の座席まで来て、我々に確認。予想していたとはいえ、みんなやきもきする。18:50過ぎ、最後の客として井上先生乗機。出発。
機内の座席は1/3程度の埋まり具合。しかし団体客の我々は機体後部にすし詰め配置。アナウンスで指示があり、離陸して安定飛行するまで座席を動くなとのこと。19:15離陸。水平飛行に入って、ブザーが鳴ったので、それっと空いた座席に移るが、気づくとまだシートベルトサインは点灯したままだった。恥ずかしい。座席最後部の2列は、客室乗務員スペースなので、そこに入り込んだ学生はどかされる。フィジーに20往復している僕には常識だったが、こういうのは注意書きに入れておくべきだったかな。
さっそく機内食の配食。しかし、気流が悪く、2度もシートベルトサインが出て、中断。例によって、しゃかしゃかと食事と飲み物を同時に配る。飛行時間が中途半端に長いこともあり、エアパシフィックでゆったりする時間はない。しかし機内食は昨年からずいぶん良くなった気がする。食事の配膳が中断しているからか、早くも映画を流す。井上先生と到着後のバス時間確認の話。USP訪問について、連絡が取れた件を伝える。食い終わったら寝る。中央の3列席を独占したので、横になって寝る。機内の睡眠を取らないと明日の行動に差し支える。
9/1
フィジー時間午前3時前に目が覚める。パソコンを出してwebサイトの2006に項目追加。これまでの記録(このファイルのこと)を書く。どうも揺れる。夜中なのにシートベルトサインが出る。起きて座り直す。4:00、再び揺れる。もう一度寝る。1時間後には電灯がついてたたき起こされるのだから。腹は減らないがごっつい朝食が待っている。
眠れないまま5:00、機内の電灯が点く。朝食の用意を始める。以前よりはあっさりしたものになったが、やはり甘いケーキの朝食。どら焼きかと思わせるものがあるのだが、あんはブルーベリー味のような気がする。フルーツはぶどうがなくなって食べやすい缶詰め風のものだけになっている。機外の薄明がわかる。水平線上が白く浮かび上がり始める。6:00、雲海の朝焼け。
明け方の雲海
ヤサワ諸島が左手に見えて、窓際にいたN君によるとマナ島の真上を通過してナンディ空港の着陸コースに入ったらしい。旋回時に低いやまなみが見える。この時期はいつも枯れているのだが、妙に緑が新鮮な気がする。6:50無事に着陸。
空港では、入国審査に少し時間がかかる。税関は、先頭で僕が説明し、「USPと共同作業するのだ」といったら一発で通してくれる。この国ではUSPを出すと話が早くて助かる。一括して通してもらって7:30頃、ATS Pacificの出迎えを受ける。お世話になっている人たちに挨拶し、今回も谷さんが担当ということで、駐車場に近い方に学生を集める。両替。かなりレートは悪いようだ。1FJ$=73.8円。送金レートも70.5だったし、ちょっと今回は厳しいか。とりあえずFJ$1000をCDでおろす。1日の限界がFJ$2000で、1回の限度はVISAなどではFJ$1000となっているらしい。
いつもなら出迎えに来てくれるイノケさんの姿が見あたらず、ATSの谷さんの携帯電話を借りて電話してみる。出ないのでそのままにしていると、折り返し電話があったので、昼間は仕事があるだろうということで、打ち合わせに都合がいいのはいつか尋ねて、17:00にウイング事務所で打ち合わせということにする。
8:30、荷物をバスに積み込み、Fiji Mocamboに移動、部屋の手配ができるまでプールサイドで過ごす。待っている間に無線機をそろえ、電池を入れて用意する。勝木先生の3台と、我々の(僕の)10台で、各部屋1台とスタッフ全員に無線機を持たせることにする。11:00頃、部屋が用意できたというので、本日の行動の注意と、それぞれ荷物を運んでもらい、おちつく。学生は11:30頃までに、三々五々ナンディに向かう。我々は部屋で一休み。昼食を13:00に設定して一眠りしたつもりが、起こされるまで爆睡。勝木先生たちに起こされて、半分眠りながらホテルのレストランの昼食に向かう。昼食メニューは24時間対応のメニューのようだ。FJ$14,17,19,26といった値段。ナンディのホテルとしては安い。ついでに、量がほどほどで、食べきれるくらいのものが多いのはありがたい。
14:00に部屋に戻り、もう一度寝る。ウイング事務所に行く関係で、15:30に集合を再設定。15:40玄関へ。ナンディタウンの中華屋に明日の弁当を注文しに行く寺阪さんと、ウイング事務所の荷物を取りに行く佐藤さん、勝木さんと僕とでタクシーで移動。途中、ホテルに戻る学生たちに出会う。
16:00過ぎにウイング事務所着。家の前で「カタちゃ〜ん」と大声で叫んでカタリーナさんを呼び、鍵を開けて入れてもらう。さっそく積み上がった引っ越しで運び込んだいろいろな荷物の中から、我々のデポジットした物品を探す。だいたい発掘できたのだが、まな板代わりの調理シートや、蚊取り線香、洗濯ひもなどの入った箱が出てこない。また、樹高測定用のvertexも出てこない。ともかくあるものだけで何とかすることにする。
16:40、イノケさん到着。来週の打ち合わせ。会計計算。月曜はフルに同行するが、木曜は午後から村に宿泊する我々に合流、金曜朝まで滞在と、かなり時間が限られる見込み。レンタカーについて、矢ヶ部先生が運転する場合、国際免許をレンタカー会社にて維持しておく必要があるということで、明日の講義時に手渡すことにする。
イノケさんは働きに出ている鉱山会社で、彼の上司だった人がresignして、非常に忙しいのだという。どうやら1人で何でもやっている様子だ。それで今朝も我々の到着のことを失念していたようだ。free goldを見つけた、鉱脈がわかった、という話をされる。
17:30、寺阪さんの戻りのタクシーが到着、学生さんたちを先に送り出す。カタリーナさんにタクシーを呼んでもらうがなかなか来ない。17:50、ようやくつかまり、モキャンボへ。途中、交通事故現場で小さな渋滞に遭う。18:00到着。
到着したところで、プールサイドに学生を集合させて、充電器など手渡し、明日の注意。次第に夜空が暗くなってくる。透明度の高い空だが、上弦の月がまぶしい。南十字星の確認はできる。さそり座、射手座など確認。星座ソフトで表示して説明。夕食はモキャンボのレストランで。教員・スタッフばかりで夕食を取る。ポーク生姜焼きなるものがあったので頼んでみる。初めて見るメニューだが悪くはない。20:00戻る。ほとんど作業できず、21:00意識不明。
9/2
5:00に目が覚める。紅茶をいれて、風呂場をチェックし、浴槽の栓を洗面所で発見し、シャワーと湯船を使う。お湯はきちんと出るが、どうもお湯の透明度が悪そうだ。水不足が関係している可能性もあるので、お湯の使用は最小限にしておく。6:10、外が明るくなる。ネットにつないでメールを受信。一件、依頼されたのに応じて、6月につくった来年度の科目概要のファイルを送る。化学部門では講師以上5人で来年度以降、24科目も開講科目があるので、けっこうたいへんだ。7:00、いったん寝床に潜り込む。7:20アラームが鳴り、全員起きる。すぐに荷造り、7:30に勝木先生たちが朝食のため我々の部屋に来る。昨日買ってきてくれたパンとバナナ。井上先生提供のサバ缶。8:00終了、荷造り再開。調査機材などをまとめる。8:40フロントへ。いったんチェックアウト。昨日の昼食代と電話代を払う。電話代は18分でFJ$3あまり。
9:00少し過ぎ、イノケさん到着。講義室へ。講義をお願いする。地質図を掛図にして、プロジェクターで広域図を見せながら説明。地質の話、鉱床の話など簡略に説明。ところどころ補足。学生からも質問が出る。質疑応答をはさみつつ、10:30終了。時間に余裕があるので、学生たちに英語でイノケさんに向かって自己紹介をしてもらう。その間に寺阪さんが昨日の中華料理店に弁当を取りに行く。ついでに9/10の夕食会の予約をセンタイで取ってもらうよう、お願いする。12:00弁当2箱とともに帰着。鶏肉の野菜炒めライスと、同じく焼きめし。13:00にバスが到着するはずが、ナンディ市内の交通渋滞で遅れて13:20少し前に到着。荷物を積み込み、乗り込む。クロウズネストに移動。途中、周囲の風景に解説を加える。サトウキビ産業の話、サトウキビ鉄道の話、赤土の話、土壌流出の話。
バイパス経由でナンディ市街を迂回するが、ナンディ出口の交差点を過ぎたところで、寺阪さんが9/8のデナラウ移動途中の弁当を依頼のため、昼食を用意してもらったお店に寄り、約110$で22人分の弁当を注文。バスは近くのバス停に止めて寺阪さんを待つが、ちょうどヒンズー教の寺院の前なので、谷さんが説明し、中には立ち入れないが外からの写真は大丈夫だというので、わっと学生が下りていく。
ヒンズー教の寺院。昨年からの修繕改装が2ヶ月ほど前に終了したとのことで、非常にカラフル。立ち入りには制限がある。
10分ほどで戻り、再出発。勝木先生のカリブ松植林の話など。空港の電波塔、野焼きの煙。遠くの山地で雲が湧いている。14:30シンガトカに入る。食材係の学生と、アシスタントの食材主任Sさん、勝木先生、佐藤先生、矢ヶ部先生らが途中下車。今夜の自炊用の食材を仕入れてもらう。我々はそのままシンガトカを出てクロウズネストに到着。14:50、荷物を下ろし、チェックイン。クロウズネストは先月に比べて、海岸の芝生も植栽も整備しているようだ。マネージャーが来ていて、顔を出している。なじみのレセプションのおばさんと挨拶。チェックインの処理。部屋は下の段の一列で、7-8、9-10、11-12、14-15の4棟8部屋。なんだか、お前の部屋は特別なんだけど料金は同じにしておいてやったぞ、と言うので、よくわからんがありがとうと言っておく。あとでそれがキッチンの仕様のことだと判明。
ないはずなのにあった14の部屋のガスレンジ。食器も新調。15は冷蔵庫も大型に変えてある。
荷物を手分けして各部屋に運ぶ。16:00、食材係が到着。共通食材を運び込む。16;30、学生たちがバレーボールを始める。S君がバスの座席ポケットにデジカメを忘れたというので、寺阪さんが谷さんの携帯電話に連絡、4度目に通じる。16:40折り返し谷さんから電話。運転手がデジカメを見つけたので、Warwickから戻ってくるときに渡すから、17:20頃、コロトンゴ−サンセットストリップの交差点で、同じバスを待てとの指示。寺阪さんが交差点の場所を教えるため、S君を連れて行く。17:00戻る。佐藤先生、勝木先生が夕食の支度をしているが、僕はちょっと休ませてもらう。18:30夕食。鶏肉のスープカレーと、ゆでオクラ、キュウリの唐辛子浅漬け。勝木酒店のフィジービター。
佐藤先生と勝木先生の力作。
20:00、天体観察の予定だが、雲が多いので中止連絡を回す。しかしどうしても星を見たい学生から質問(「あれは北斗七星ですかー?」)が無線で入ったので、星座ソフトを出してパソコンを持って前庭に出る。月が明るいが、さそり座はほぼ全部見えている。木星を確認。それに射手座。南十字星は最後までほとんど見えず。月明かりで天の川もわからないのは残念。いずれにせよ、月が移動する1週間後にはよく見えるだろう。
21:00からレストランでメケショーのはずが、なかなか始まらない。21:20、始まったとの連絡を受けて、部屋を閉めて出かける。3年前より小規模な感じのメケだ。レストランの一部を改装してステージにしつらえたようだ。かなりこぢんまりとした感じだ。例によって、勇壮な半裸の男の槍踊りや、女性のうちわダンス。ポリネシアンダンスもやるというが、腰も振らず露出もなくて、色気も何もなくて健全なポリネシアンだ。最後は例によって客を入れたダンス、スネークダンス、イサレイ、記念撮影と、ほぼパターン化した感じ。22;00終了。
spear dance
明日の予定を23:30に無線で連絡。2部屋応答がなく見に行くと、上から下りてくる人々に遭遇。明日朝7:00に珊瑚礁観察、昼過ぎにUSPと合流時挨拶の予定、外出の際は連絡することを確認。0:20ベッドに転がり意識不明。1:30起きだして記録つけ。ネット。写真データ処理。それにしても、なぜ自分はここにいて、こんなことをしているのだろう、と不思議な気がする。日本でばたばたしている自分が本当の自分なのか、こちらで異国の人々に囲まれて調査したり学生実習をしているのが本当に自分なのか、わからなくなる。胡蝶の夢というやつかな。5時過ぎに少し眠る。
9/3
朝、6:30にセットしたアラームが鳴り、起き出す。天気はよい。潮も引いている。お茶を入れてしばらくだらだらと過ごし、6:50に起きだしたスタッフの人々と、今日の日程を少し話す。7:00レセプション前の海岸に出る。思ったほど潮位が下がっていないが、おそらくラグーンの海水が抜けるのに時間がかかるので、干潮の時刻よりも少し遅れて水位が下がるのだろうと想像する。登山靴のまま海に入ることにする。ズボンは長ズボンにしようと思ったが、僕は怪我をしたことがないのを思い出して、水泳の短パンにして出て行く。えらいことに全員が出てくる。海水は使ってみると冷たく感じる。朝の冷気もあって、かなり涼しいが、日差しがかなりまぶしい。
7:20、じゃぶじゃぶとラグーンをリーフエッジに向かって歩きはじめる。
ラグーンを歩いてリーフエッジに向かってわたる。
海茶そば、海ブドウなど。採集。
「海茶そば」の正式な名称は不明。機内誌に食ってうまい海藻Verevereだと書いてあるが。
9:00陸に戻る。海水に濡れた登山靴と短パン、靴下を洗い、干す。9:30朝食の準備、10:00朝食。10:30片付け。昼までゆっくり過ごす。けっこう疲れたようで、1時間ほどうとうとする。12:40昼食。佐藤先生がソースをつくった野菜のスパゲティ。13:30終了。13:40、USPの学生のひとりが会いに来る。ソフィーが見つからないが、ツバクラに学生たちは到着したとのこと。直後にレセプションから電話。Khasai先生到着、呼び出し。レセプションに行くと、学生5人とKhasai先生がいる。どうもツバクラは予約が取れていなかったらしい。14:00Khasai先生の車でツバクラへ移動。同時に勝木先生と買い出し部隊、ワゴンタクシーでシンガトカへ出発。 14:10、ツバクラでチェックインの手続き。5人1部屋で1泊FJ$156。男女5人ずつ2部屋で3泊でFJ$936。カードでAuthoriseだけの処理。支払いはチェックアウト時ということらしい。うまい具合に月曜と火曜の会議室も予約が取れた。それにしてもUSPのソフィーは何をやっていたのだろう。他の宿に予約をしてしまったのだろうか。Khasai先生の学生たちと簡単に挨拶。とりあえず16時出発、16:30にツバクラ着で顔合わせをすることだけ決めて、Khasai先生の車で14:20クロウズネストに戻る。
15時前、勝木先生たちが帰着。やはり日曜で時間も遅かったのでスーパーが閉店、パン屋さんと市場といくつかの店で、多少の食材補充はできたが、欲しかった油など(初日は勝木先生の趣味でココナッツオイルのみ購入したので)が入手できず。学生たちは宿の庭で落ちてきたココヤシをスタッフに割ってもらい、ココナッツジュースやコプラを賞味する。ココナッツを見るのは初めての学生にとっては、大きな実と、繊維の外側を剥いだ中心部分とが別のものに見えたらしい。
15:40、レセプションから電話でソフィー到着のしらせ。部屋にソフィー来る。彼女は先週水曜に電話で予約したのだが、なんでも、ツバクラの担当者が予約のメモをなくしたらしい。やれやれ、フィジーではよくあることだが。だからこそ何度も確認したり、現場で下見や打ち合わせをしておく必要があるのであって、僕だって好きこのんで忙しい時期に何度も実習準備に渡航しているわけではない。
16:00、海岸沿いに歩いてツバクラに向かう。途中でコロトンゴ石灰岩(完新世石灰岩)の説明。高海面期の話。朝、リーフを見ているためか、空中にサンゴは生えないから海面変動の証拠(または隆起)だという説明がうまく納得してもらえるようだ。勝木先生が海草の群落の説明。種子植物で浅い海底に生えるものがあるという話。藻場の話。
完新世といわれるコロトンゴ石灰岩。現在の海食によるノッチも見える。
勝木先生の海草の講義。
16:40ツバクラ着。クラエコパークに行っていた井上先生は戻る途中でめざとく我々を見つけて、先回りしてツバクラで待っていて、ビデオを回して出迎える。さすがだ。レセプションで待っているUSPの学生たちと会い、プールサイドの移動する。USP側は男5女5、フィジー出身6、サモア1、ソロモン2、インド1。なかなか感じのいい学生たちだ。ソフィー曰く、去年よりも、一昨年よりも全然良い学生たちだよ、とのこと。学生たちは禁酒だそうで、我々も自重するよう学生に配慮を指示する。
全員が交代で自己紹介。ソフィーが最初、僕は最後。英語をかなり忘れていて、言いたいことが出てこなくなって、つまる。それでもここ数週間、USP側との調整で英文メールのやりとりが多かったので、まだ通常よりは英語が出てくるはずだが。
USP学生たち。
17:30終了。明日の夕食はUSP側がバーベキューでご馳走してくれるという話になる。日没まで30分なので、18時には出るように伝え、僕と勝木先生、佐藤先生、井上先生で先に宿に歩いて戻る。途中、サンセットストリップのコンビニ風の店に寄る。クロウズネスト手前で、井上先生と勝木先生は何か観察対象があったらしく、ヤブの中に入り込んでしまう。
日が暮れるが、雲が多く、本日も全員での天体観測はおあずけ。19:30?夕食。炒めた輪切りの巨大ナス、ジャガイモのバターコンビーフ炒め。キャベツ浅漬けなど、佐藤先生と勝木先生の力作。ご飯の出来がまるで日本にいるようなつやつやで、感動する。食後、20:30頃には疲労で意識不明。0:30起き出す。写真記録整理。メールチェック。日曜のためかメールは少なくてほっとする。GPSのデータ抜きだしに手こずる。寝酒用に勝木先生にもらった酒をあおって5:00再度就寝。
9/4
7:00起床。朝食の用意、勝木先生のごはん、佐藤先生の卵とじ野菜炒め、ツナ缶。お弁当に勝木先生のおにぎりとキュウリ浅漬け。8:00、各班の機材係を呼び、GPSを渡し、簡単な使用法の伝授。8:20、バスが到着。8:25、レンタカーを運んできたイノケさんと会い、イノケさんは先にシンガトカで金曜朝の輸送用の車の手配に行く。8:30、クロウズネスト出発、途中何度か曲がるべきところを行き過ぎながら、引き返して8:40ツバクラ着。小雨が降っている。9:00シンガトカ着。お弁当を用意していない人は昼食の買い出し。日本側は水を小さいボトルで人数分買う。僕は現金の引き下ろし。Westpacでは一度に500まで、2回下ろして1000を用意する。キャッシュコーナーのすぐ裏にイノケさんが車を止めていて、声をかけられて驚く。車手配の話。4日間360で手配できたとのこと。最終日の9/15はナタンドラか砂丘に寄れるか聞く。ラッキーコーナーに寄る。バスに戻り、9:20出発の予定だがソフィーが遅く、数分遅れる。
10:30コロニサガナ着。セブセブ。サービスのつもりか、何度も杯が回って、けっこうぐったりする。バスで移動し、畑道を抜けてシンガトカ川の岸に移動。地図を配布し自分の位置確認をさせる。12:00昼食。12:36ボートで渡河移動開始。先にUSP学生を渡し、河原のレキを集めさせる。やることはわかっているので、ソフィーが指示してくれて助かる。グループを3つにわけて、植生班は河原の植物を観察したあと、村の中の植物観察。測量班は河原から畑と村の断面図作り。地質は河原のレキの観察・収集。13:40、シンガトカ川から村の前の道路に上がり、ガラガラ沢の橋へ移動。そこでもう一度レキの採集。観察。比較。井上先生の影響で蝶が気になる。ビデオカメラで追いかけ、静止画を撮る。あとで井上先生に確認すると、ホリイコシジミ、ルリマダラ、シルビアシジミの仲間など。
14:40、水サンプルの収集に来ていた矢ヶ部先生、村岡先生と一緒に、イノケさんの運転する4駆トラックに便乗、トンガを経由して対岸に戻る。15:00バスのところに到着。車は渡河点に向かい、輸送。15:20出発。16:20シンガトカ。買い物。16:50出発。17:00クロウズネスト。
夜の発表の準備をさせる。僕はGPSを持ってこさせて、本日のトラック、ウェイポイントの吸い出し。PCで表示してみせる。データの保管。18:50、矢ヶ部先生の運転で2回に分けてツバクラ移動。南十字星が雲の間にうまく出ている。USP学生のバーベキューをご馳走になる。20:00会議室移動。各班の観察内容、作業内容の発表。22:00?終了。2回に分けて矢ヶ部車でクロウズネストに戻る。月が明るくて星空はいまひとつだが、空気が澄んでいるのがわかる。
ツバクラの会議室での発表風景。借り賃は55$。200人収容可の大きなホール。
ソフィーは明日の早朝、ナンディ空港に移動、ソロモン諸島に1週間滞在し、USPの出先で講義をするとのこと。フィジーに戻るのは来週火曜の夕方で、結局、そのあと我々に同行して地質調査する計画は、上司であるKhasai氏が認めなかったらしい。来週金曜のUSPのopen dayの準備、特に学生の発表の監督をやれ、ということのようだ。やれやれ。それで彼女はイノケさんに12月のフィールド調査の可能性を打診していたということらしい。USPの規則で、誰か一人は教員が学生についていなくてはいけないというので、明日から技官のAlisi嬢が帯同するとのこと。
0:30就寝。
9/5
6:10目が覚める。寝酒の効用。記録を急いでつける。今日は移動距離が長いので、準備がいる。6:35、着替え、シャワー。ネットにつなぐ。日本は3時間遅れなので午前3時半。7:40朝食。8:05朝食終了。8:25出発準備をして、レセプション前に。、ところがいつまで経ってもバスが来ない。8:50バス到着。Alisiの説明によると、バスの到着が遅れたので、USPの学生は時間前に出て待っていたらしい。
2003年に植えたマングローブが生長していました。コロトンゴ村の河口にて。
9:05シンガトカ、9:20発。10:15トンガの売店前で、矢ヶ部先生運転の4駆に地質班が乗り換え、トンガ前の渡河点でシンガトカ川を渡り、タワタワンジ村に先に向かう。他の2班は昨日と同じく、ボートで川を渡るためにシンガトカ・リバーバレー・ロードを行く。
10:30村の中を抜けて地質班は集会場横へ。ちょうどペンダナを干している。敷物をおるのだろうか。女子学生がトイレをすませて、水の補充をしてから、10:48ガイドのおじさんが先導して裏山を登る。気の早いUSPの学生2人がガイドのおじさんとさっさと先に進んでしまい、僕の説明を受けずに行ってしまうので、1人残ったソロモン諸島出身の小柄な学生さんを相手に、登る途中に出てくる露頭や転石を観察させ、整理させて、あとの2人に説明するよう頼む。比較的急な道なのだが、涼しいせいかあまり苦にならない。タワタワンジ村の水道の上部集水タンクで一休みし、水音がするのを確認させる。
11:10岩場の下で小休止。GPSの高度計で高度を確認。M君のデータで156mほど。写真をとり、水を飲む。11:23難所の岩登り。女子学生2人目の前に出てきた岩壁を見てきゃーきゃー喜ぶ。寺阪さんが最後に残り、岩壁に露出する大きなカルサイトの結晶(おそらく鍾乳石の断面)を採取する。11:35、少し早いが登り切った谷間のキャンプサイトで昼食。そこら中に落ちて腐った大きなミカンが転がっていて、場所を選ぶのに苦労する。
集落跡のマウンドの説明。ドリラーたちのキャンプあとの説明。12時出発。シンクホールにちょっと寄り、南へRakete沢沿いに進む。石灰岩の切れるところで、川底の露頭観察。安山岩質火山角れき岩。マトリックスも大きな粒子もみな安山岩由来で、他の物質がまったく入ってこない。淘汰が悪く、円磨度がまちまちであることなど、土石流や崩壊に由来する堆積物で、海水中であれば淘汰を受けたり層理ができることから、陸上堆積物であろうことの説明。
ガイドのおじさんは心得ていて、今回は沢沿いに進んでくれる。山の斜面のめのう脈を見せたかったが、時間がないし、今回は省略する。尾根の上に石灰岩があり、谷底に安山岩の堆積物があることを確認させる。全体の構造の確認。南傾斜なので、進めば進むほど基本的には新しい地層が出てくるはずである。
安山岩質火山角れき岩と石灰岩の境界に向かって進む。13:30露頭到着。「ここでは僕は何も答えないよ」と英語で言って、自分の力で観察させる。そのために少し時間を食う。
砂岩の露頭ひとつを短時間観察させて尾根を越える。3つめの尾根からガラガラ沢方面が一望できて美しい。みんなで石灰岩の尾根で記念撮影。おじさんがレモンを取ってくれる。
尾根で記念撮影。
下りる途中に無線連絡。14:43、鍾乳洞付近の渡辺先生から応答。こちらからは15時少し過ぎ橋のところに到着と連絡。30分後の到着と計算。15時に撤収予定なので、比較的時間通りだが、最も長いルートなので、少し遅れるのは仕方はないか。
16:25?シンガトカ着、買い物。マネージャーだというオッサンが出てきて、17時までにステーションに戻さないと困る、バスの運転手の都合だといってせかされる。そもそも運転手のあんたが15分遅刻したんだろうが、と頭に来る。寺阪さんが交渉。
17:10頃クロウズネスト着。勝木先生が見つけてきた魚屋でロウニンアジを夕食用に調達し、佐藤先生がさばく。初めての魚の調理。バターソテーと潮汁。すばらしい出来。
19:52レセプションに。集まりが悪く、矢ヶ部先生が無線で呼ぶ。2往復して学生を運び、会議室に移動。20:20開始。地質で時間を取り、21:24植生の説明へ。21:56測量の話終了。30分延長することにして、井上先生の蝶の南太平洋の生物地理学の話をお願いする。終了後、明日が最後だがありがとうと挨拶。LoniがUSP学生を代表して謝辞。おしゃべりで余計な話も多い彼が珍しくまともなスピーチをするので感心する。
井上先生の講義。
23時前、宿に戻る。我慢していたビール。つまみにラーメンを煮る。缶詰を開ける。1:40お開き。
9/6
6:30目が覚める。急いで記録をつけ、USPの学生に渡すデータCDを作成する。7:30朝食、8:05終了、ネット、メール、準備を急ぐ。
やはりバスが遅れる。8:50クロウズネスト出発。9:00シンガトカ。買い物。9:15発。10時売店着。地質班とハンドオーガーを実験したいアシスタント2人が矢ヶ部先生の運転する4駆に移り、いったんタワタワンジ村へ。ペナさんに話して、ハンドオーガーの件の許可をもらう。ガイド4人の分担があるので、ルートを説明。山の上に登る植生・測量に2人、前山を登る地質のグループに1人、ペナさん本人はハンドオーガーに同行。
11時、歩いて地質班は移動し、前山を登る。道沿いに火山性堆積物の観察。淘汰の悪い安山岩の角レキ〜亜円レキが、層理をほとんど示さずにランダムに埋まっている。昨日と同じく陸上堆積物であろうという説明をするが、場所は昨日と比べてかなり低い、北側の地質ユニットになる。
道から急な草の斜面を登る。途中に火山岩のレキがごろごろしているので地質の確認になる。GPSはうまく軌跡が取れているようだ。見晴らしのいい尾根の突端で地図上の位置を確認させる。11:30丘の上の石灰岩に到達。林の中で石灰岩の露頭を確認させる。
地図上の位置を確認。なかなか優秀。
林を抜けて南の草地へ。石灰岩が切れることを確認。砂岩の露頭観察。地層の層理が見えているので、走向・傾斜を測らせる。とりあえず南傾斜であることを確認させるが、USP学生には何が通じなかったのか確認に手間取る。
12:30、西の草原と石灰岩の崖に移動し、そこで昼食。がけの上から矢ヶ部先生とアシスタント2人を遠くに発見。無線で呼ぶ。無線の声と1秒遅れで矢ヶ部先生の声が直接届くのが面白い。電波は音波より速い。寺阪さんがガイド氏に名前を木の樹皮に刻んでもらう。
昼食の草原で露出する石灰岩で珊瑚化石を確認。化石土壌と思われる赤褐色のレキの確認。堆積環境の連続した変化を層序で読み取れることを念のため確認するが、うまく伝わっているかどうか。
本日の地質の作業はこれでおしまい。13:00下山開始、13:30建設予定地のハンドオーガーグループに合流。少しだけ掘削を手伝う。ペナさんから焼きトウモロコシの差し入れ。14:30、作業を終了し引き上げ。僕は先に村に向かう。村の直前で車に追い越される。植生班と先にボートで渡河、山から下りてくる測量班は矢ヶ部車に輸送をお願いする。村の前でまだ山の上の佐藤先生から無線が入る。なかなかよく届くものだ。ペナさんと明日の3グループについてガイドの分配相談。明日の宿泊について人数確認。18か19+イノケさんと伝える。ハギヤ、お前は泊まらないのか、ごめん、仕事があって、と謝る。
ペナさんのボートで渡河。バスに移動。15:30トンガ対岸の売店に到着し、矢ヶ部車を待つ。合流し、シンガトカへ。小雨が降り始める。最初はなんでこのバスは坂道がこんなに遅いんだと思っていたが、いまは慣れてしまって、これが普通だと思える、という学生の話。かなりのボロバスだが、よく走っているものだ。シンガトカで今日スバに帰るUSPのグループとお別れ。シンガトカはかなり降っている。
17:10クロウズネスト着。プレゼンは20時以降に教員部屋と連絡。21時各班の発表開始。23時すぎに終了。明日の注意、学生は全員村に宿泊。教員3名が宿泊、5名が残る予定。僕の寝袋を貸してくれと複数の学生にせがまれる。先着順。明日朝の荷物の部屋移動、荷造りなど指示。学生の写真データの吸い出し。
1:00頃就寝。
9/7
6:10起床。コーヒーを飲みつつ、急いで記録をつける。今日はUSPの学生が昨日で帰っていないので、ツバクラに寄らずバスはこちらに直行の予定。今夜村に泊まる学生たちの部屋は、今朝チェックアウト処理をすませる必要があるので、その旨連絡。急がせる。7,8,9,10,11,12,14,15の8部屋のうち、12,14,15の3部屋のみ、今夜使用し、他は明け渡すので、荷物を残る3部屋に運ばせる。忘れ物がないように前夜のうちに注意。12を女性用、14,15を男性用に設定。荷物もそのように配分。
8:30、全員集合。バスを待つ。時間がきちんと守られるのはフィジータイムの国にだんだん慣れてしまう我々しては珍しく、今年の学生のよい点だ。8:35バス着。乗り込み、移動。シンガトカへ。買い物。お土産などは、今夜村に泊まる学生にとっては最後のチャンスなので、いろいろ買い込む。シンガトカの市場横で、どこかで見たことのあるフィジー人女性二人組につかまる。タワタワンジの村の人ではないだろうか。今日、学生が村に泊まることを知っているようで、「アサミはどうした」「ユーコは来ないのか」「トモコはどうしている」「アキエは?」と矢継ぎ早に聞かれて困る。みんな仕事で忙しくって、日本はこの時期休めないのだよ、と説明する。9:20出発。買い物が遅れた学生のために少し遅れるが、誤差範囲か。今日は4駆はイノケさんのために宿に置いてきたので、トンガ対岸の売店での人員載せ替え輸送はなし。全員が渡河点に向かう。
10:20バス着。畑の中の道を歩いて川へ。今日はライフジャケットを持参しているので、学生に運ばせる。井上先生は用意よくさっそく着込む。途中シジミチョウが気になって写真を撮る。川べりには村の人が待機。船を出してくれる。今日は3往復で終了。23名は意外に少ない。まず村に行き、ウイング事務所の建物に宿泊用の荷物を置かせてもらう。集会棟は、村のおねえさんたちがカ−テンの取り付けをしている。我々の宿泊のために準備の真っ最中ということらしい。ペナさんに話して、今日の3つのグループの行き先と、ガイドの分配を確認。地質のガラガラ沢担当は、タイブニさん(略してタイ)だそうだ。何度もお世話になっているのだが、名前をきっちり覚えていなかった。いかんいかん。あとはレパニ氏とペナ氏本人。
11:00移動開始。ガラガラ沢に向かう。途中まで旧コロニサガナに向かう測量班と一緒に移動。植生班は前山に登るので村を出て西へ分かれる。旧村落にブーゲンビリアが咲いている。11:15橋からガラガラ沢へ。
雲が多いと日差しがさえぎられて助かる。今回は天候に恵まれました。
河原で矢ヶ部先生を待つ。畑を抜けて、民家の裏の斜面で安山岩質火山堆積物、たぶん陸上の土石流堆積物の露頭を観察。露頭情報の石灰岩の林を確認させる。全体の地層の傾斜が南傾斜であるから、本日の行程はあとに行くほど地層の上位、時間的には新しい時代のものを見ることを確認。
鍾乳洞を通過し、矢ヶ部先生は出口の水採取。出たところの河原で昼食。アゲハが通る。
Qwalimacaの支流で水分析の矢ヶ部先生と別れる。尾根を少し登り、露出する石灰岩の転石表面の観察。尾根に登らず、ガイドに従ってガラガラ沢を南に。河原に下りたところが東からの沢との合流点で、礫岩〜礫質砂岩の大露頭。水流による淘汰があることを観察させ、礫種の確認。石灰岩を含んでいる。海底の崩壊堆積物の説明。地層の順番の再確認。13:00。
レキ岩の露頭。レキ種は安山岩主体だが、石灰岩の巨レキを含む。
さらに上流で崩壊地形の大露頭を見て、そばに近づく。昨日の午後雨が降ったあとのためか、小石が転がって来て、少し危険。めのう脈、方解石脈を採集。金属硫化物か酸化物の色の塊を拾う。地表での二酸化マンガンの沈着か、海底熱水堆積物か。あとで分析しよう。
砂岩中のめのう脈
方解石脈と方解石の結晶。
14:15村へ。15:15村出発。15:40バス出発。16:36シンガトカ着、買い物、16:55出発、17:10クロウズネスト。バスの運転手と別れる。
19:00夕食。20:00バタンキューで意識不明。
3:00、起きだして作業。メールの送受信。5:00寝直す。
9/8
6:35佐藤先生の調理の音とおいしそうな匂いで目が覚める。7:00朝食。そのあと昨日の記録つけ。
佐藤先生力作の朝食。
8:30すぎ、村宿泊組第一陣の帰還。イノケさんが雇ったミニバスが先にクロウズネスト到着。さっそくシャワーを順番に使わせる。9:00、イノケさん運転の4駆で第二陣到着。これで全員が揃う。イノケさんの奥さんも同乗している。どうやら村に連れて行ったらしい。学生の話によると、イノケさんの奥さん手作りのカレーも食事に出たということで、わざわざつくって持参してくれたようだ。イノケさんと来週の輸送手配について打ち合わせ。今日のミニバスに13,14の両日ガリマーレ輸送を頼むことになる。どうもせっかちなインド系の運転手らしいので、少々不安だ。
9:20、スバ行き高速バスが到着、係員が乗客を捜しに下りるところが部屋から見える。急いで無線で全員に連絡し、井上先生に乗るように伝えるよう指示し、バスを止めるために部屋を飛び出すが、間に合わずバスは先に行ってしまう。レセプションに向かい確認するところへ何も知らない井上先生登場。ちょうど下りてきたイノケさん運転のレンタカーに同乗させてもらい、とりあえず次の停車予定であるアウトリガーまで追いかけてもらう。レセプションのお姉さんが電話で確認してくれるが、運悪くアウトリガーに止まらずにバスは先に行ってしまったらしい。イノケさんの携帯に電話。出来るだけ追いかけてもらえないか、ダメならどこかのホテルで下ろしてもらうよう、依頼。
9:45頃、我々の輸送のバスが到着。ATSの谷さんに事情を話す。谷さんから連絡を取ってもらうが、イノケさんは結局シンガトカのバスターミナルに井上先生を下ろしたらしい。たぶんシンガトカ発着の一般バスでも、USPの14時の打ち合わせに、ぎりぎり間に合うのではないかと思うので、イノケさんの判断は正しいだろう。
10:00、定刻にクロウズネスト出発。今年の学生は時間を守ることに関して優秀だ。自炊用調味料など荷物の一部はクロウズネストにデポさせてもらい、実習用の機材のほとんどはウイングで預かってもらうべく、イノケさんの4駆に積んで運んでもらったので、船に乗せる荷物はかなり減って安心だ。バスでの移動中、講義。コロトンゴ村の2003植林のマングローブ、砂丘、前のトラックの木材、シンガトカ石灰岩。湿地。シャングリラズ・フィジアンリゾート。サトウキビ列車。その他いろいろ。
11:10ナンディ市内で強引に駐車し、昼食の弁当受け取り。寺阪さんとN君が走って弁当の段ボール箱を運ぶ。すぐに発車しデナラウへ。11:30デナラウ着。船着き場で弁当分配。木陰を探して昼食。タイガーIVは定刻の到着で、12:00乗船開始。満月になるので大潮でかなり低い潮位。12:10出港。
水関係は階下のデッキに残し、多くの学生が最上部に移動。風を受けながらまわりを見る。
船上にて。
13:25マナ島に接近。干潮で珊瑚礁が上からよく見える。かなり露出している。泳ぐ魚が上から見える。13:30到着。下船。
Yokoさんの引率でラウンジへ。ウェルカムドリンクを飲みつつ、手続き。総支配人の田中さんと挨拶。部屋割表が暫定で送った古いもののまま、部屋割されていたので、こちらのリストで再配分させてもらう。あとでN君が保管していた残部から、部屋割表の入った参加者用のしおりをYokoさんに渡す。田中さんが16時に基盤設備見学を手配してくださる。とりあえず各部屋におちつく。今回はアイランドブレの部屋が集中して続き部屋の配置(4棟8部屋)で、大変ありがたい。
洗濯、乾燥。早く入れたので学生が順番待ちで、悪いなと思いつつ、先に使わせてもらう。ガリマーレのどろどろがきれいに落ちて、ほっとする。
16:00受付集合。田中さんとYokoさんが同行して、技術部長のフィジー人の方の案内で上下水道と電源設備を見学させてもらう。まずは発電機ということで、新調のブラバス(トラクター牽引ではなく大型トラックの荷台に椅子を設置。新しい)に全員が乗り、ATAMAさんというわかりやすい名前のおじさんに運転してもらって発電機の小屋へ。技術部長の説明を支配人の田中さんが日本語訳で説明してくださる。…ちと省略が多いが仕方がない。非常にわかりやすい英語なのだが、学生はいまひとつ反応が悪いのは、たぶんテクニカルタームがぴんと来ないのだろう。しかし、工学部の学生だったら、もうちょっとなんとかしたいものだ。
発電設備見学
発電設備見学のあと、歩いて上水施設へ移動。海水の淡水化プラントの説明。そして下水処理施設を見学させてもらう。好気性バクテリアと嫌気性バクテリアを活用して、特にエアレーションで汚泥はほぼ100%分解して何も残らないとのこと。送気を止めて、沈澱剤として硫酸アルミニウムを加えるらしいが、上澄みの水と汚泥を分離し、上澄みを池に移す。さらに池で有機物を分解させ、タンクに送り、植栽用の水として配水している。17:05、終了し、トレーニングセンターという会議室に移動。まだスタッフの会議が終わっていなくて、少しだけ待たされる。こういうところがあるとは知らなかった。
17:10、Aquatrekのきゃくのさんによる、スペシャル版の「海のお話」を聴講する。プロジェクターでスライドショー。けっこう質問が出る。亀の話で渡辺先生にコメントを求める。終了後、明日のダイビング希望者をまとめる。営業時間終了後で申し訳なかったのだが、きゃくのさんとAsamiさんとで、申込みの手続きを受け付けてくださる。他の学生は解散。
夕食はママヌザレストランが1時間待ちということで、選択肢がなく引率者7人はユーロピアンのバッフェをとる。20:00ママヌザレストラン横のラウンジに集合。明日の課題の説明。ハンディGPSによるマナ島全域の海岸線測量と、地質・植生の記載を班毎にさせる。記入用方眼紙の配布。夜空は雲が多く、満月も明るいため、星空観察は中止。
9/9
5:45起床、夜明けを見るツアーに5:57出発。感心なことに思ったより多くの学生がついてくる。ルックアウトポイントに登る。途中、満月に近い月が西の空に明るく見える。雲が多い。
朝食7:10。
ダイビング組は8:30からAquatrekへ。シュノーケル組は10:30から。僕はN君と島の東側の地質調査(指導)。日差しがきつい。
13:30シュノーケル組帰投。
午後は測量と調査に班毎に行動。我々スタッフは14時から食事。休息。17:30サンセットビーチに向かって出発しようとするところへYokoさんより電話をいただく。ノースビーチ経由でサンセットビーチへ夕陽を見に急ぐ。潮位が上がっていて岩場回りは断念。従業員村の手前から海岸に出て、砂浜を急ぐ。にぎやかな女子学生の2人組HSさんとSSさんがついてくる。佐藤先生はカメラを担いでずっと先行している。飛行場のところで道路に上がり、サンセットビーチに日没の前に到着。珍しく西側も快晴で、海に沈む夕陽を堪能する。
南太平洋の日没
19:30夕食。ロボ料理のバッフェ。
22:00から学生の発表だが、実際は22:35に最初の班がプレゼン開始。
2:00過ぎ、就寝。
9/10
6:30起床。日の出は見逃す。今日も快晴。7:20朝食。みそ汁の具に豆腐、ご飯がジャポニカ米。キムチ付き。朝食からの帰りに寺阪さんが部屋のチェックアウト処理。
8:00部屋に戻り、休息。荷造り。9:00荷物を部屋の前に出す。9:45忘れ物確認をしてレセプションに。10:00桟橋へ移動。田中総支配人、Yokoさんに挨拶。全員の海岸での記念写真はYokoさんに撮ってもらう。きゃくのさんに挨拶。今日は潮位が高く、桟橋の下を多くの魚が泳いでいる。パンで餌付けをしているらしい。緑と青のカラフルなサヨリの群。ボラのような頭の大きい魚など。アマダイのようなコッドも目に入る。定刻にタイガーIVが到着。乗り込む。
10:30マナ島出港。姿が見えなくなるまでAquatrekのAsamiさんと副支配人のYokoさんが手を振ってくれていた。思い出作りの場所としてのアイランドリゾートとしては、船が離れたら手を振るのはおしまい、さあ次の客、というビジネスライクな対応ではなく、こういうことがきっと大事なことなのだろう。
マナ島を出港
水路の様子は干潮の到着時とはかなり違って、通常の珊瑚礁の様相。海の色が島を離れて水深が深くなると、深い青に変わる。トップデッキでひとしきり写真を撮り、船内に下りる。タイガーIVの運転席の後ろ、2階席は、予約必要のラウンジに変えたらしい。
12:00デナラウ着。学生はみな直前まで眠っていたようだ。下船、ATSの谷さんの出迎え。谷さんの引率でバス乗り場へ移動。荷物のチェック、積み込み。バスでモキャンボ移動。谷さんが携帯でセンタイの予約の確認をしてくださる。案の定開始時刻を19:00と間違えていたらしい。危なかった。バスの車中で今日の後半の行動予定指示。12:45モキャンボ着。部屋割、18:00センタイ集合を指示。
15:30、まずはイノケさんに今日のセンタイへ招待の確認電話。まず金曜にばたばたした一件を謝る。ついでにUSPではうまくいったことを伝え、感謝する。引っ越し後のウイング事務所の電話番号がわからないが、FAXは使えたことを思い出し、カタリーナさんに電話。訪問のことを伝える。
16:55ホテル発、ウイングナンディ事務所17:05着。ウイングのカタリーナさんと会計関係の打ち合わせ。預かり金の残額を受け取る。デポしてもらったスルの箱を出す。お世話になったお礼に2枚置いて、残りを運び出す。センタイでの宴会にカタリーナさんも招待するが、遠慮する雰囲気だ。今回、表に出ていないからかもしれないが、充分世話になっているのだがなあ。17:35カタリーナさんに呼んでもらったタクシーでナンディ市内へ移動。5$とは高い気がするが、デナラウ系のタクシーらしく、料金表を見せて公定料金だと言い張るので、まあいいかと乗り込む。センタイ前で下りて、他のメンバーと合流。時間が早く店にはまだ入れないが、箱は内側に置かせてもらう。
18:00開始。とりあえず、飲み物だけまずは注文を取る。人数が多いので、最初の乾杯はビールかオレンジジュースのみ限定で、そのあとの飲み物は自由にする。食事代は共通費から支出。1人あたり30$でお任せしてある。これらは例年通り。今回は手配をウイングからではなく、僕からでもなく、寺阪さんにお願いした点が異なる。テーブル3つに9人ずつ。座席は班毎に固まるといけないというので、連絡係、機材係、食材係と係別にする。6:11、まずは佐藤さんの音頭で乾杯。
乾杯!
18:25、料理が出始める。18:30過ぎ、イノケさんご夫妻が到着。もう一度乾杯。次々と料理が運ばれる。フィジー産の食材を使っているので、いろいろ勉強になる。イノケさんにこのエビはどんなところに住んでいるかなど教えてもらう。イノケさんの奥さんはインド系で、牛肉がダメだった。それを忘れていて申し訳ないが、まあ仕方がないだろう。
本日のメニューリスト
19:00くらいから、今回の参加学生に英語でスピーチしてもらう。名簿順で、上の学年から。食事もそぞろに、一生懸命話す内容をメモしている姿が目につく。なかなかみんな度胸もついたようで、それなりに立派なスピーチが出来て、これも実習の成果かと思い、少しうれしくなる。続いてアシスタント学生5名。スタッフも初参加者から順番にスピーチ、うっかり寺阪さんを忘れそうになる。
イノケさんご夫妻から、作業で残る学生と教員を帰国前日に夕食に招待したいとの申し出がある。たいへんありがたい。
スピーチで地質学に興味があるといった学生K君を捕まえ、イノケさんの隣に連れてきてインタビューさせる。N君がビデオで録画。なかなかすばらしいアドバイスをされる。
20:50ラストオーダー指示。21:15会計処理。21:25センタイを出る。バスでモキャンボ移動。谷さんが来ていてくださって、こんな遅くまで申し訳ない。記録用紙の配布、明日の集合指示。モキャンボの受付前でバスが入れず手間取るが、全員無事にモキャンボに帰還。各部屋に。学生2人に頼まれて写真データをCD-Rに焼いて渡す。うとうとしながら作業。0:30就寝。
9/11
5:00起床。お腹の調子が一昨日から悪くて、どうも気合いが入らない。メールの送受信。今日訪問するUSPのスーザン先生にメールを書く。記録の整理。CD-R焼き。5:45、外が明るくなる。7:00、記録のアップとメールの送信。
8:50、モキャンボ玄関集合。ナンディ空港へバスで移動。チェックイン手続き。帰国の767-300は、なんとトイレがつまったそうで、とりあえず出発が1時間遅れ、さらにそのあと2時間遅れとの連絡で、国内線でスバに移動する組が先に出発することになる。(結局成田着は3時間遅れだったそうだ)
H.Hagiya 2006.8.31-